トップページ > 素材 > ダマスカス鋼の包丁の特徴
長年使えるような包丁を検討している方、または検討したことがある方はダマスカス鋼というと、あの特徴的で神秘的な模様の包丁がピンと浮かぶと思います。
近年、ダマスカス鋼の包丁は高級包丁の代名詞のようになっています。
ダマスカス鋼は「だますかすこう」と読みます。
ウーツ鋼とも呼ばれる高炭素鋼材、インドの一部地域に由来する鉄鉱石を原料とする。ウーツとは地名ではなくサンスクリット語で「硬い」あるいは「ダイヤモンド」の意。その特殊な不純物の組成から、るつぼ内で精錬されたインゴット内にカーバイド(Fe3C)の層構造を形成し、これを鍛造加工することにより表面に複雑な縞模様が顕れる。刀剣用の高品質の鋼材として珍重された。その後の学術的な研究により、ほぼ完全な再現に成功していたと思われていたが、ドイツのドレスデン工科大学のペーター・パウフラー博士を中心とする研究グループによる調査で、ダマスカス鋼からカーボンナノチューブ構造が発見された[1][2]ことで、現代のダマスカス鋼の再現は完全でないことが判明した。
引用:wikipedia
このダマスカス鋼の製造技術はすでに失われており、現代において完全に再現することはできないそうです。
したがって、現在のダマスカス鋼の包丁というのは、ダマスカス鋼”風”の包丁ということになります。
このダマスカス鋼”風”包丁(以下、「風」は省略します)についてその特徴などを説明していきます。
その昔のダマスカス鋼(本物の方の)で作られた剣は、騎士達の間では憧れのものだったそうです。
その圧倒的な切れ味、錆びにくさ、しなやかさは独特の縞模様が形成される製造過程に理由があることが現代の研究から分かっています。
現在はこの縞模様を再現する為に、異種の鋼材を重ねて折り返し鍛練することによって生み出しています。
その為、「現代のダマスカス鋼の包丁は、中世のダマスカス鋼の剣の切れ味などを再現できている」と思われがちですが、残念ながらそうではないようです。
なぜなら、この模様の鍛造方法は通常包丁の刃に部分には採用されていないからです。
つまり、ダマスカス鋼の独特の縞模様は、包丁の切れ味などにはほぼ関係がありません。
美しいデザインとしての意味合いがほとんどのようです。
伝説の鋼材であるダマスカス鋼の模様を再現することにより、包丁に高級感を与えることができます。
実際に、この加工が施された包丁のほとんどは、1万円を超えるような高級な包丁です。
高い包丁は基本的に切れ味は鋭いので、普通の人がダマスカス鋼の包丁を購入して切れ味に不満を覚えることはないでしょう。
しかし、通常の加工よりはコストがかかっている為、コストパフォーマンスという点でみると疑問が残ります。
最も大きなメリットはずばり「見た目」です。
一目見て高そうな包丁だと分かるその見た目はやはり魅力的です。
先でも書きましたが、ダマスカス鋼の加工がされている包丁はまず間違い無く良く切れます。
包丁に対してそこまで大きなこだわりがなく、切れ味が良くかっこいい包丁が欲しい方にはおすすめです。
※ただし、それなりに予算がある方以外にはおすすめできません。
関孫六のダマスカス鋼は比較的お手頃で、特にこのシリーズはかなり評判が良いです。
オールステンレスだと、ダマスカス鋼の模様がさらに映えますね。